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2012伊東さんが所属する「おたすけクラブ」は、いつまでも住みなれたまちで暮らしたいとの想いを胸に、近隣や会員同士でお互いに助け合う池袋本町のボランティア・グループ。活動は丸10年を迎えます。「75歳前後を中心に163名の会員がおり、うち30名をサポートしています。買い物の手伝いや掃除、洗濯、病院の付き添いなど要望は様々です。最近増えているのは話を聞いてほしいという依頼。大変さもありますが、それ以上に心に寄り添うことの喜びのほうが大きいですね。空き店舗を利用してのお茶会など、商店街との連携も生まれています。家の外に出られなくなってからではなく、日ごろからご近所同士が顔見知りになり、よい関係を作っておくことが基本になるのだと思います」。障害者にどのように対応すればよいのかわからない。こうした疑問に答えるために区が行なう「障害者サポート講座」の講師を務めるのが、自身も視覚障害のある小宮山さんです。「障害者を見かけたら『何かお手伝いしましょうか』と気軽に声をかけてもらえるとありがたいですね。エレベータや点字ブロックの設置といったハード面での整備は進んでいますが、これからの課題は、こころの面でのバリアフリーです。私たちにとっては、マナーの悪い自転車や、あるいは道路にはみ出したごみ袋なども歩行を混乱させます。レストランで食事をしたり、社会参加をしたい気持ちは健常者と一緒。障害者が安心して外出する社会になることを願っています」。「普段からマナーの悪い自転車を見ると声をかけてしまうんですよ」と語る唐澤さんは、東京都公安委員会から委嘱された交通安全活動推進委員。目白警察署管内で交通安全の啓発に取り組んでおり、中でも自転車のマナー向上には力を入れています。「携帯電話やヘッドフォンを利用しながらの運転、さらに無灯火は本当に多いんです。区からも正しい乗り方の指針<としまモデル>を作って発信してほしいですね。お願いしたいのは、家庭でのお子さんに対する安全教育。安全を学ぶとは、自分の命はもちろん、ほかの人の命も尊いことを知る命の教育です。それが広がることによって、交通ルールを守る安全な社会になるはずです」。都内でも有数の繁華街である池袋西口駅前では、周辺の6つの商店会と警察、区が協力して「環境浄化パトロール」が行なわれています。「みんなで力を合わせ、特に風俗店などの客引き・スカウト・ビラ配り・違法看板などをなくすために声をかけた結果、数字の上でも周辺での犯罪件数が減ってきましたし、『きれいになってきましたね』との声も聞かれるようになりました」と語る加藤さんにはこの池袋こそがふるさと。生まれ育った大好きなまちを安全安心なまちにして、次の世代につなげたいとの願いはひとしおです。「現在は災害時の帰宅困難者対策を急いでいます。今後は、地元企業や大学にも協力を仰ぎ、まちぐるみで防犯・防災活動に取り組んでいきたいと思います」。子どもたちだけで歩けるまちに。繁華街の環境浄化パトロール池袋西口駅前環境浄化推進委員会 委員長 加藤 竹司さん町会はまちづくりの中心さらに災害に強いまちをつくる上池袋町会 会長山嵜 和弘さん「地震が起きた際、木造住宅が密集する私たちの地域で一番心配されるのは火災です」と語る山嵜さんが会長を務める上池袋町会では、復興までを念頭に置いたまちづくり訓練を行なっています。「私たちは実際に防災公園にテントを張って、水も電気もない避難生活を体験しました。防災公園に作ったベンチ型の大きなかまどで火を起こし、年2回は福祉もちつきや赤飯づくりもしています。現在、さくら公園にある大きな井戸を、消火活動や仮設トイレの水洗に利用できないかと検討しているところです。また防災だけでなく、今後はまちかどの防犯カメラやAEDの設置なども考えています。町会が中心になり率先して行動することで、住民の安心感も強くなりますね」。住みなれたまちで、おだやかに暮らし続けたいという思いはだれもが同じです。そのためには、まず地域がかかえる問題をとらえ、一歩を踏み出すことが必要になります。一人の力をみんなの力に。住みやすいまちをつくるために活動する皆さんから、お話をうかがいました。お互いにできることでご近所どうし助け合うまちをおたすけクラブ 副代表伊東 純子さん障害者サポート講座で学ぶこころの面でのバリアフリー身体障害者福祉協会 副会長小宮山 芳人さん目白交通安全協会 副会長(目白交通安全活動推進委員協議会 会長) 唐澤 和子さん会員宅の電気ポットの利用状況をインターネットでチェックし、健康状態を把握する「見守りポット」サービスも行なう講座では白杖を持つ方への声のかけ方を含めたブラインドウォークも学ぶ自転車マナーの啓発運動区の指針<としまモデル>に期待木造密集地域の上池袋では本格的な防災訓練を行なっている住み続けたいまちへ 絆がつくる としまのセーフコミュニティ目白駅周辺でLEDライトを勧める「ブルーライト目白」作戦を行なった3パトロールを続けて16年。区条例の改正など活動の成果は出てきている「安全安心なまち」はわたしたちの手でつくる

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