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高野区長●区の基本条例では、ここに学ぶ人、働く人すべてが豊島区民であると定めています。ですから、皆さんは立派な区民というわけです。大学時代は、人生の中で最も自由に学べて、自分の生活の方針を決める特権を持つ時期です。本日は、このまちで学ぶ皆さんから、区民の一人として豊島区への思いを聞かせていただくと同時に、大いに夢を語ってもらいたいと思います。内山(学習院大学)●私は区内に住む外国人の方に、日本語を教える活動をしています。日本語の文法や日本文化をうまく伝えることができず、もどかしい思いをすることが多いですね。将来は、訪日外国人の数を増やせるように、日本の魅力を伝える仕事に就きたいと思っています。小菅(学習院大学)●内山さんと一緒に活動をしており、将来は日本語教師か国語教師になりたいと考えています。私たちの大学は人数が少ないこともあって、ゆったりと学んでいます。緑豊かなキャンパスには、池もあるし、馬もいるんですよ。区長●学習院大学のキャンパスは、区内でもとても大切な緑のエリアですね。小菅●隣り合う池袋とは、まったく違う雰囲気があります。そういう意味でも豊島区は、知れば知るほど多彩で深い魅力のあるまちではないかという印象があります。内山●外国人の方が日本語に興味を持つきっかけの多くは、マンガ、アニメ、アイドルなんです。私自身はその関係でよく池袋を案内します。区長●そうですか。豊島区はマンガ文化にも関わりの深いまちです。かつて豊島区にあった「トキワ荘」をご存じですか。マンガ文化が育った場所であり、アニメ文化の原点です。その「トキワ荘」を復活させようと、地域の人たちが、がんばっているんですよ。内山●これからもアニメやマンガを通じ、豊島区を訪れる外国人の方は増えると思います。池袋にも、たとえば横浜にあるような多国語で案内するインフォメーションがあるとよいのではないでしょうか。嶋﨑(大正大学)●私は放送や映像を学びながらアナウンサーを目指しています。そのご縁で、豊島区の広報番組でナレーション、インタビュアーをさせていただきました。区長●覚えていますよ。私のところにも来てくださいましたね。嶋﨑●ありがとうございます。また、昨年学内にオープンしたスタジオを使い、授業で豊島区に縁のある方の記録映像を製作しています。今まで、「トキワ荘」の漫画家を担当していた編集者の方や、児童文学者の岩崎京子先生にお話を伺いました。私はこうした表現活動もまちづくりも、誰かを喜ばせたいという点で根幹は同じだと感じています。豊島区がさらに芸術の分野と、もっと関わりの深いまちになればと思っています。区長●芸術分野ということでは、80周年記念事業として、東京音楽大学の皆さんには回遊音楽キャラバンという名前で、区民ひろばで演奏していただいています。これがとても評判なんですよ。山田(東京音楽大学)●将来は子どもたちにチェロを教える先生になりたいと思っているのですが、そのきっかけの一つに回遊音楽キャラバンへの参加があります。子どもたちが目をキラキラと輝かせて一生懸命聴いてくれる姿に感激して、ますます先生になりたいという思いを強くしました。区長●私も聴きに行きました。子どもから高齢者までたくさんの方が集まりましたね。菊地(東京音楽大学)●私はサクソフォーンを学んでいます。以前、区役所でのロビーコンサートや、親子コンサートに出演させていただきました。地域の方に「もっと聴きたかったわ」と喜んでいただいたのが、とても印象に残っています。卒業後は山田さんも私も外国に勉強に行く予定ですが、またここに戻ってきたいです。豊島区がもっと音楽があふれる明るいまちになってほしいと思います。志村(女子栄養大学)●私が卒業した目白小学校は、給食がとてもおいしかったんです。それがとても印象に残っていたこともあり、給食を通じて子どもたちに食の大切さを教える栄養教諭を目指しています。個人的にも、食を疎かにして身体を壊した経験があり、栄養を学ぶ大切さを痛感しました。ぜひ、育った豊島区で働きたいです。上田(女子栄養大学)●私も食の大切さを伝える仕事がしたいと思っています。1年生の時には、駒込小学校で給食指導を体験したのですが、私の話を聞いて、野菜が苦手だったのに「一口食べてみようかな」と言ってくれた子がいたんです。今は食べられなくても、いつかおとなになったとき好きになれる、そんなきっかけをつくれたらと思います。区長●女子栄養大学の学食は、栄養バランスを考えたレシピで、とても人気があるそうですね。上田●はい、地域の方にも大勢おいでいただきました。ただ現在は、人気が出すぎて、外国人に開かれたまちに自分を表現し まちの文化をつくる健康面から地域を支える仕事を目指すおろそ 「街全体をキャンパスに」を合言葉に、豊島区では区内6大学と連携して、「としまコミュニティ大学」を開催しています。また各大学の特色を生かした、地域活動も活発になってきました。今回は、6つの大学の学生の皆さんにお集まりいただき、将来の夢をまちの姿に重ねながら、未来のとしまについて語っていただきました。大学大正大学大学立教大学豊島区長 高野 之夫区内の外国籍の方を対象にした日本語教室は、毎週火曜日に。生徒の皆さんから学ぶことも多いです (学習院大学・小菅さん、内山さん)◀区民ひろばでの回遊音楽キャラバンは、子どもたちに音楽の楽しさを伝える貴重な経験になりました(東京音楽大学・山田さん)区役所本庁舎でのロビーコンサートで昼のひとときを楽しんでいただきました(東京音楽大学・菊地さん)▶CM制作の授業風景。表現やPRの方法について、議論にも熱がこもります(大正大学・嶋﨑さん)志村 歩美さん●短期大学部食物栄養学科2年岩田 香菜さん●人間学部アーバン福祉学科3年嶋﨑 雄哉さん●表現学部表現文化学科3年安部 詩織さん●経済学部経済政策学科3年鳥羽 梨紗子さん●経済学部経済政策学科2年菊地 麻利絵さん●音楽学部音楽学科 器楽専攻(サクソフォーン)4年2生と語るまの未来

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