20140101_1593
3/4

区長●マンガ文化の発祥トキワ荘があるまちだと誇りを持って語っていただけるようになればよいですね。トキワ荘を復元し、トキワ荘詣でをしていただけたりすれば楽しいでしょうね。髙橋●池袋、そして豊島区はマンガ・アニメファンにとって世界の聖地になれる可能性があります。手塚●池袋にも、まちのシンボルになる場所があるといいですね。たとえば渋谷のスクランブル交差点のような、あそこに行ったよと言えるような象徴的な場所ですね。豊島区にはマンガ・アニメ以外にもソメイヨシノやフクロウなど、たくさんの魅力があると感じますが、あれもあるよ、これもあるよでは印象が散漫になってしまう。今後はまちの特性を生かしたまちのストーリーづくりが重要になるのではないでしょうか。たとえばトキワ荘よりさらに古い歴史を掘り起こして、アニメなど現在ある素材と融合させて考えてみたりするのは面白いと思います。そうやって生まれたストーリーそのものが、まちの言葉となっていくのだと感じます。区長●文化が育つには時間がかかりますが、だからこそマンガ・アニメを豊島ブランドにするためにはお二人のような方の協力が必要です。本日はありがとうございました。区長●マンガ文化の発祥トキワ荘があるまちだと誇りを持って語っていただけるようになればよいですね。トキワ荘を復元し、トキワ荘詣でをしていただけたりすれば楽しいでしょうね。髙橋●池袋、そして豊島区はマンガ・アニメファンにとって世界の聖地になれる可能性があります。手塚●池袋にも、まちのシンボルになる場所があると安全・安心が世界に誇る文化をささえるストーリーの生まれるまちづくりを現多手塚●2020年には東京でのオリンピックも予定されていますし、今、世界に対してふるさとを語る時が来たと思います。そのためにはマンガでも歴史でも何でもよいので、自分たちの住むまちに誇りを持つことが必要になります。区長●オリンピックに関していえば、豊島区には競技場も練習場もありません。しかしマンガとアニメを軸に、オリンピックを機に観光で訪れるたくさんの方を受けいれるまちづくりをしたいと考えています。手塚●日本のアニメやマンガのファンは、アニメやマンガを愛していればこそ、反社会的な存在にならないよう努力している印象があります。日本だけの特色ですね。鉄腕アトムはアニメ作品としてだけでなく、出版社やメーカーが一緒になって盛り上げたことで社会的な存在になりました。海外でもアニメは人気がありますが、こうして社会的な存在として認められている国は他に見当たりません。だからこそ「Cool Japan」のような取組みも推進できるわけです。クールジャパンつなげて他のまちにない文化をつくっていくという目標を定めて飛躍するという意味では、まさに時が来た!との思いです。髙橋豊(以下髙橋)●私が東京に出てきて初めて住んだまちが池袋だったんです。だから親しみがありました。ただ当時は怖いイメージがありましたね(笑)。区長●池袋も変わりましたでしょう。一昨年、私どもは東京都では初めてWHO協働センターのセーフコミュニティ国際認証を取得しました。5年後には間違いなく安全・安心のまちと言えば池袋、豊島区だと言われるようになるはずです。正直に申しますと、最初に区役所の隣に「アニメイト」がオープンした時、いったいどんな人たちが集まるのだろうと想像もつきませんでしたが、明るいムードになりましたね。髙橋●お客様の7割は女性です。そういう点からもまちが安全・安心であることは大前提です。昔はマンガのファンと言えば、オタクとかマニアというイメージでしたが、今は皆さん文化の一つとして総合的に捉えているのでバランスがとれています。ルールも守りますし、イベントの時も自発的に会場整備を手伝ってくれたりします。何よりオシャレですよね。手塚●安全な場所だと分かれば、若い子の親も送り出しやすいですよね。ただ文化というものは、クリーンで整然としただけの場所からは生まれません。いい意味での猥雑さは残してほしいですね。また様々な情報をインプットするだけでなく、アウトプットの部分が整備されることが大事だと思います。行けばアニメや映画が観られるだけでなく、同時に実際に関われたり、語ったりすることで何かが生まれる感覚を味わえる楽しさですね。今、若い人には、そのアウトプットする力が少し弱いような気がします。私たち民間のアイデアを区が後押しするような関係が築ければ、良い形で文化的なまちづくりが進むのではないでしょうか。区長●皆が集まる場をつくること、それもわれわれの役目ですね。ごちゃごちゃ感と、何でも受けいれる風土も池袋の魅力です。そこを生かしたまちづくりを進めたいものです。髙橋●アニメ・マンガを通じ、池袋は点ではなく面でお客様を呼べるまちになってきた印象を受けます。私たちの店もカフェやコスプレの施設をつくるなどして、タテ・ヨコに広げていければと考えています。また地方からはもちろん、考えていらっしゃる以上に海外のお客様もたくさんみえています。そういう方のためにもまちの中に多国語の案内板をつくっていただければうれしいです。区長●それは絶対必要ですね。今、案内板、サインの整備を進めているところです。わいざつ髙橋 豊氏 プロフィール昭和23年、長野県生まれ。昭和58年に一号店であるアニメイト池袋を開業。以降、マンガ・アニメ関連商品を取り扱う専門店として全国に出店を重ね、現在109店舗を展開している。神保町の老舗書店「書泉」の代表取締役社長も兼任。「トキワ荘」のあった、南長崎の通称「トキワ荘通り」。池袋はアニメグッズを取り扱う店舗が多い。「コスプレ」をした女性の姿を見かけることも。3最近のアニメファンはルールを守るし、とてもおしゃれですよとしまならではのマンガ・アニメ文化を大切にしたいですね「トキワ荘」周辺散策の拠点となる〝お休み処〞が昨年オープン。展示やマンガの閲覧などもできる。どころ

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る