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Special Issue安全・安心を支える『地域』の力げんばかかりつけ医・在宅医療の現場から持病や健康状態を気軽に相談できる「かかりつけ医」みつけてください持病や健康状態を気軽に相談できる「かかりつけ医」みつけてください「患者さんとの垣根をなくしたい」と、篠田医師は開業後に白衣を着るのをやめたそうです。「患者さんとの垣根をなくしたい」と、篠田医師は開業後に白衣を着るのをやめたそうです。篠田 瑞生先生豊島区医師会会 長千川篠田整形外科院 長顔なじみに囲まれて、住み慣れた場所で暮らし続けられるように 約20年前、豊島区に整形外科は十数軒しかなく、中でも私が生まれ育った高松周辺には一軒もありませんでした。その現実に驚き、自分の経験や知識を地元に還元できればと思い、それまで勤めていた病院を辞めて開業しました。 当院に来る高齢の患者さんのほとんどは、大きな病院に行くほどではないけれど、「体が痛い、動かしにくい」といった症状の方々です。体が痛いと誰だって憂鬱になりますよね。大事なのは、そうした症状をいかに治して、生きる意欲につなげていくかということです。地域医療の役割は、患者さんが顔なじみの人に囲まれながら、住み慣れたまちで長く快適に暮らせるように支えることだと思っています。 また、かかりつけ医には病気の早期発見・早期治療の窓口としての役割もあります。当院は整形外科ですが、いつも来ている患者さんに「咳が止まらない」などの症状があれば、専門の先生に診てもらうようほかの医療機関につなぎます。患者さんが医師に何でも気軽に話せることが、地域医療にとって最も大事なことではないでしょうか。患者さんに真摯に向き合う、『うそをつかない医療』を実践 2012年、区と豊島区医師会が連携して、「在宅医療相談窓口」を豊島区医師会館内に設置しました。この取組みは先進的です。ほかの自治体や医師会から多くの問い合わせや視察を受けました。患者さん側からすると、大きな病院から退院して自宅に戻った時、誰に頼めば在宅医療を受けられるかわからない、というお悩みが結構多かったんです。そんな時に、専門知識を持った医療ソーシャルワーカーに相談できるこの体制は、区民の皆さんにとって心強いに違いありません。 私のモットーは開院から一貫して、「うそをつかない医療」です。患者さんに対してわからないものはわからないと言い、症状が大ごとなら最適な病院を紹介して検査を受けていただきます。患者さんには、病院の待合室を社交場代わりにして活力の源にしていただければと思います。平成6年開院。豊富な手術経験と臨床経験を基に一人ひとりに適した治療を実施。理学療法士によるリハビリを積極的に行なうほか、ロコモティブシンドローム(運動器の障害のために移動機能が低下した状態)の予防・啓発にも力を入れている。千川篠田整形外科(要町3-13-8)「豊島区在宅医療・歯科相談窓口」開設中在宅での療養を希望する方、家族、事業者などからの相談に対応するワンストップ型の相談窓口です。在宅医療相談窓口▶☎5956-8586歯科相談窓口▶☎3987-2370●●2

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