20190911_gougai
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この秋、街中にIKEBUKURO REDが全開する池袋艶やかに輝くIKEBUKURO REDのように、池袋で今一番「旬の人」にスポットをあてた物語です今回主役のお二人のように、様々な人々の様々な物語で織りなされている池袋というまちそんな池袋で、あなたも自分だけの物語をみつけてみませんか造形作家・岡﨑乾二郎さんによるHareza池袋のアーバンスクリーンに注目!岡﨑乾二郎さんからのメッセージ岡﨑乾二郎造形作家Profile1955年東京生まれ。80年代より数多くの国際展に出品。絵画、建築、絵本、舞台美術など、つねに先鋭的な芸術活動を展開。東京都現代美術館(2009~2010年)における特集展示では、80年代の立体作品から最新の絵画まで俯瞰。2014年のBankART1929「かたちの発語展」では、彫刻やタイルを中心に最新作を発表。2019年11月23日より豊田市美術館にて大規模な個展が開催される。the fusion of Real & Virtual 2014年10月18日、ニコニコ本社が原宿から池袋へ移転してきた。ニコニコ動画やニコニコ超会議など、株式会社ドワンゴが展開するniconicoコンテンツの仕掛人である横澤大輔さんは、以前、移転の理由をこう話していた。「池袋にはハイカルチャーからサブカルチャーまで様々な要素があります。そうした異なる要素の組み合わせが化学反応を起こすことで、新たなストーリーが生まれてくるのではないか。そこに『劇場都市』としての可能性を感じる」と。 その言葉を裏付けるかのように、移転に合わせて「池袋ハロウィンコスプレフェス」(以下「池ハロ」と略)を開催。ネットとリアルを組み合わせた新たな形のイベントとして今年6回目の開催を迎える池ハロは、コスプレ来場者数2万人、イベント来場者数10万人、そしてネット来場者数18万人を超える一大イベントに成長している。 開催目的について、彼は、「コスプレイヤーが主役になれる居場所を作りたかったから」と語る。当時コスプレは、まだ一部の人たちの特殊(オタク的)な趣味であり、表立って人に言うことがはばかれる雰囲気があった。そうした人たちが、自分たちをありのままに表現できる場が「池ハロ」。渋谷や原宿のハロウィンイベントのような喧噪と池袋が無縁なのは、参加するコスプレイヤーたちが、その場限りの祭りの場ではなく、池袋を自分たちの表現の場として大切に感じているからかもしれない。 そして彼自身、池ハロでのコスプレに全力で挑んでおり、その完成度は毎回半端ない。2014年第1回開催時のキャッチコピー「ぜったい、楽しいから集合!」は、色々考えてこれしかないと付けたそうだが、彼自身がコスプレの楽しさを実感しているからに他ならない。それから5年が経過し、2019年、今年のキャッチコピーは「なりたい自分に、着替えるだけ。」 実に軽々と、既成概念を越えていく。池袋の街中をコスプレイヤーたちが歩く姿に、もはや違和感はない。 池袋は、様々な人や文化を受容しながら発展してきた街。池袋モンパルナスの時代から綿々とつながる文化的風土。よく言えば異質なものに対する寛容さ、悪く言えば猥雑、ゴチャゴチャ……。街の姿が変わっても、その根っこは簡単には変わらない。そして、画一的な機能が重視された20世紀から機能複合型の21世紀へ、多様性あふれる池袋は今、“ニコ動”風に言えば、まさに、「キタ━━━━(゚゚)━━━━!!」なのである。 そして2019年11月1日、niconicoの新たな発信拠点として、「ハレスタ」がHareza池袋内にオープン。ニコニコ本社と六本木のニコファーレを集約、最新鋭の技術とインターネットを駆使し、niconicoが目指してきたネットとリアル、そしてバーチャルの融合をさらにバージョンアップして展開していくという。 池袋という街を舞台に、彼の描く都市の劇場化は日々進化していく。- 都市を劇場に -劇場都市・池袋の仕掛け人 横澤大輔さんⒸ 池袋ハロウィンコスプレフェス実行委員会2014年度と今年度の“池ハロ”ポスター。左は自ら全力コスプレを楽しむ横澤さんniconicoがこれまでも目指していた"ネットとリアルの融合"を実現するべく、スタジオ技術・演出面では蓄積された制作ノウハウを集約。最新鋭の技術とインターネットを駆使したバーチャルキャラクターによるライブパフォーマンスやアニメ・ゲーム関連のステージイベントなど、幅広いコンテンツを発信していく。池袋から日本のポップカルチャーを世界へ発信「ハレスタ」11月1日オープン!Photo Ⓒ Hajime KATO横澤 大輔Profile 豊島区には特別な思いがあります。尊敬する詩人山之口獏、画家熊谷守一そして手塚治虫、自由学園、池袋モンパルナスなど若い頃から大きな刺激を受けてきました。旧池袋文芸座の建物は建築家だった父が設計したものでした。かつて要町界隈に住んでいたのもそれが所縁です。豊島区の文化に育てられたような気持ちです。 豊島区に住んだ詩人でもう一人名高い小熊秀雄の原作『火星探検』(1940)は手塚治虫が大きく影響された漫画です。天文学者を父にもつ子どもたちが夢の中で火星の町に行き戻ってきます。その町の名はミルチス・マヂョル。子どもたちの話を夢物語と聞いていた父は驚きます。それはもともと火星の運河につけられた名前だったから。火星の町は魅力的で、なによりも平和で子どもたちはこれこそ未来の希望の町だと感じたのです。ミルチス・マヂョルの劇場で開かれた子どもたちの歓迎会の素晴らしかったこと。そんな思いを豊島区の未来に重ねて制作しました。(株)ドワンゴ 専務取締役CCO、豊島区国際アート・カルチャー都市プロデューサー、一般社団法人日本ネットクリエイター協会代表理事など1981年東京都生まれ。ニコニコ動画の公式生放送番組を立ち上げ、ニコニコ超会議では10万人規模のイベントをプロデュース。池袋ハロウィンコスプレフェスの統括プロデューサーも務める。作品タイトル:ミルチス・マヂョル/ Mirsys Majol / Planetary CommuneIKEBUKURO REDな人5

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