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大塚を変えたくて星野リゾートを誘致高野●武藤さんはご実家である大塚の不動産会社を継がれていますが、育ちも大塚ですか?武藤●小学5年生から大学4年生まで大塚で暮らしました。中学・高校は練馬区に通いましたが、家の場所を聞かれて「大塚」と答えても分かってもらえず、池袋の近くと言うと「すごいじゃん」となる。残念な気持ちになりましたね。高野●大塚はかつて池袋よりはるかににぎわっていました。大正時代には花街があり、都電が通り、昭和になるとデパートの白木屋もできた。一方で、終戦後、池袋は闇市ができて、今日の発展へとつながる繁華街を形成していきました。私は豊島区長として、栄光の歴史をもつ大塚と池袋が一体となって輝くまちができたらと思ってきました。高い山ほど裾野が広いものです。武藤●その言葉、好きです。池袋を頂点として、大塚をはじめ豊島区全体が栄えている。高野●しっかりとした裾野や地盤こそがまちづくりの基本です。ところで武藤さんはどんな経緯で山口不動産の社長になられたのですか?武藤●山口不動産は10代以上続く母方の家業です。僕はおばあちゃん子で、小さい頃から「会社に何かあったら僕が助けるから」と祖母と約束していました。ですから、自然に経済に関係する勉強をして、会計事務所に入りました。でも20代の終わりに体調を崩して会社を辞めました。当時、祖母の会社の番頭さん的な社員の方が亡くなり、私が経理を手伝うことになり、不動産の仕事をするようになっていったのです。高野●巡り合わせですね。そんな武藤さんが星野リゾートを大塚に誘致したときは本当に驚きました。誰も想定していませんでした(笑)。武藤●自社で投資して、大塚駅前にビルを建設し、オリンピックも控えていたのでホテルを誘致することになりました。僕は友人たちに胸を張って「大塚に来てよ!」と言えなかった。通好みの渋い名店はいくつもあるけれど、まちの雰囲気が暗い。どうしたら大塚を変えられるか。ホテルを誘致するなら、相当なビッグネームでなければインパクトはないと思いました。何のここ数年、JR大塚北口駅前が大きく様変わりしています。近代的なビルが次々と竣しゅんこう工するとともに、2018年5月には、日本を代表するホテル、星野リゾートの新たなブランド「OMO5東京大塚」が開業。さらに、2021年3月には北口駅前エリアを鮮やかな光の変化で彩る「光のファンタジー」が完成します。華やかな歴史をもつ大塚にふたたび活気と誇りを取り戻す。長年にわたり大塚で不動産業を営み、近年は進化する大塚のまちづくりに積極的に取り組んできた山口不動産㈱の武藤浩司氏と高野之夫区長が未来へのまちづくりについて語り合いました。[シリーズ対談] SDGs未来都市の風景を描く vol.03輝く光の彩りで、まちに活気を武藤浩司山口不動産株式会社代表取締役CEO高野之夫豊島区長profile 武藤浩司 (むとうこうじ)…山口不動産㈱代表取締役CEO。1979年、東京都生まれ。2002年、東京大学経済学部卒業。三井住友銀行、監査法人トーマツを経て、2008年に母方の実家である山口不動産㈱に入社。2018年、同社代表に就任。現在、大塚駅北口エリアを活性化するironowa ba projectを展開中。ba07 山口不動産にて広報としま特集版 令和3年(2021年) 2月号 No.1911豊島区役所 〒171-8422 豊島区南池袋2-45-1  ホームページ http://www.city.toshima.lg.jp/2

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