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勝算もありませんでしたが、星野リゾートに連絡をしたら、「OMO」という都市型観光ホテルの新たなブランドを計画しており、その東京1号店を大塚に誘致できたのです。高野●そのお話を聞いた時には「武藤さん、本気だな」と思いました。まちづくりは情熱です。愛がなければまちは発展しませんからね。光の演出でメッセージを発信する武藤●僕もJR大塚駅北口エリアを彩る「光のファンタジー」の計画を知った時は驚きました。高野●大塚駅の北口はとても暗い。駅前を明るくしたいというのは住民共通の願いでした。駅前が光輝き、まち全体が明るくなっていく。夜でも安心して食事やお酒を楽しめる。昼は池袋で遊んで、夜は大塚で美味しい食事をする。個人経営の良い飲食店がたくさんありますからね。武藤●光で大塚を活性化する。すごく共感しました。私の会社では、北口に建設した新しいビルの外側に照明を設けていて、ロータリーの照明と連動して、光の演出ができます。高野●季節ごと、イベントごとに色を変えたい。クリスマスなら赤と緑、サッカー日本代表の試合がある日はサムライブルーもいいでしょう。ロータリーにある中央モニュメントだけでなく、駅前広場、都電の三角地、商店街の入り口、タクシー広場を同じ色で染めていく。色の光でまちが一体となり、メッセージを発信する。どこもやっていない試みを大塚で始めたいのです。武藤●大塚の駅に降り立った人も、住んでいる人も感動してくれますね。僕もそんなワクワクする仕掛けをどんどんやっていきたい。今は、北口駅前周辺で所有する6つのビルを連携して、「ironowa ba project(イロノワ・ビーエー・プロジェクト)」を展開しています。 baはbeing associationの略で「つながっていく」という意味。星野リゾート、東京大塚のれん街、カフェ、住居、オフィスなどをつなげていきます。大塚も豊島区も、建物などハード面での整備は一段落しました。今後はそれを有機的につなげながら何をしていくかですね。区民にSDGsを浸透させていきたい高野●豊島区は2014年に消滅可能性都市であると指摘されたのを機に、まちづくりの改革に乗り出しました。その将来像として掲げたのが国際アート・カルチャー都市です。文化によるまちづくりこそが豊島区の未来をつくると信じて推進してきました。そのビジョンと方向性が一致するのが、豊島区が選定されたSDGs(持続可能な開発目標)未来都市です。加えて、全国でも10か所しかない自治体SDGsモデル事業にも選ばれました。環境、社会、経済の3つを共存させていくことこそが、豊島区の未来には必要なのです。武藤●僕は区民にSDGsを浸透させることをがんばりたいです。実際、ほとんどの人がSDGsについて知らないと思いますよ。イロノワ・ビーエー・プロジェクトでは、コミュニティ通貨の「むすび」を始めました。むすびは、大塚のお店と利用者をつなぐもの。お店が「まちのコイン」を提供し、来街者が使うことで自然と交流が生まれます。今、むすびにSDGsを絡めることに挑戦しています。高野●どんなイメージですか?武藤●環境に良いことをしたら、経済的な価値を得られてもいいと僕は考えています。電気自動車をお得に買えるエコカー減税と同じ発想です。例えば、ゴミを拾えばコインがもらえる。そのコインをまちのお店やホテルで使えたら、もっとたくさん拾おうとがんばる。SDGsの目標に合わせてメニューを増やせば理解も深まるし、お店側も導入する時に「SDGsって何?」と考えます。まだ実験中ですが、実現したいです。高野●とても心強いですね。行政がいくら「SDGsが大切です!」と旗を振っても区民がついてこないのであれば意味がありません。誰もが主役となり、誰一人として取り残さない。それこそが、豊島区が描くSDGsの未来像です。武藤●きっと多くの自治体がSDGsで何をすべきか悩んでいるはずです。挑戦していけば豊島区は存在感を高められるし、ほかの自治体のモデルにもなれると思います。それに区長はまちづくりだけでなく、多くの責任を担っているから僕らが応援しなきゃと思いますよ。僕にとって高野区長は良き上司のような存在ですから。まちづくりで大塚の誇りを取り戻す高野●武藤さんはこれから大塚をどんなまちにしていきたいですか。武藤●僕は大塚をユニークで、オンリーワンのまちにしていきたいですね。大塚に来たらみんながワクワクして、体がぽかぽかになるイメージ。そして、大正時代のような華やかな大塚にあった「誇り」を取り戻したいです。ところで区長、僕は豊島区の色が何色か、気づきましたよ。高野●お、何色ですか?武藤●豊島区の「豊」と「色」を合わせると「艶」になります。「あでやか」と読み、華やかで美しい様を表します。この色が大塚、池袋、そして豊島区を表していると僕は思うのです。高野●武藤さんの豊かな発想、行動力、若さ、スピード感には感動します。積極的にまちづくりに参加してくれるのは本当に心強いです。武藤●区長の感性と行動力にはまったくかないません(笑)。ぜひ、健康に気をつけてください。高野●ええ、でも若い人に負けないようやんちゃな気持ちも持ち続けますよ(笑)。ぜひ、今年も豊島区が大飛躍する年にしていきましょう。▲星野リゾートOMO5東京大塚星野リゾートの新ブランドOMOでは都内初。泊まる、食べる、遊ぶが融合した新しいホテルのカタチを提案。▲東京大塚のれん街大正から戦後の面影を残す古民家をまるごとリノベーションした飲食店街。個性的な11店舗が軒を連ねます。生まれ変わる大塚の今進行中!問申HPEMFAX保問い合わせ先 申込み先 ホームページ Eメール ファクス  フリーダイヤル 保育あり ※費用の記載がない事業は無料です問申HPEMFAX保3▲大塚駅北口駅前広場に設置された大きなリングと3つのリングモニュメント。ライトアップにより夜間の安全・安心を確保し、池袋での観劇などの後も余韻を楽しみながら過ごせる光空間を演出します。光のファンタジー

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