20221201_1998
5/8

5■問問い合わせ先 ■申申込み先 ■HPホームページ ■EMEメール ■FAXファクス   フリーダイヤル ■保保育あり ※費用の記載がない事業は無料です かもしれません。木村●実は私も、息子を育ててすごく変わりました。それまでは「できない」ことにもどかしさを感じていたんです。それが今では、「できるようにするにはどうすればいい?」「できないならどんな道がある?」と柔軟に考えるようになりました。塚田●私は息子のおかげで仕事一辺倒の人間から家庭を顧みるようになり、今があります。最初は息子の将来を非常に悲観していたのですが、小学校の校長先生の「障害があってもお子さんなりに成長していきますよ」という言葉に勇気をもらいました。それから休日は、仕事上の付き合いを一切やめて、子どもと過ごす時間のために使うようになりました。礒﨑●障害者と健常者の関係の理解が進めば、関わり方も変わってくるのかなと思います。雇用に関していえば、企業から「こういう仕事があるのだけれど」とご相談いただければ、私たちも協力できますし、そうしたつながりや連携こそが大事なのではないでしょうか。誰もが輝くために社会や地域で支え合う木村●私は息子が小学校のうちは、働きたくても働くことができませんでした。中学校に入って一人で通学ができるようになって、少しずつ仕事ができるようになって。今は様々なサポートが増えてきているのですが、障害が重ければそれだけ負担が多く、家族の社会参加は難しくなるのが実情ではないでしょうか。礒﨑●私の場合は娘の障害が最重度でしたので、小学校の時はまったく目が離せない状態でした。でも中学校に入ると先生やお友だちがとてもよく面倒をみてくださって、PTAに参加したのが社会的な活動の一歩だったかもしれません。PTA活動からのご縁で今の仕事があります。障害者に携わる仕事は、障害のある子どもを育ててきた私だからこそできることも多いと思っています。塚田●私たちが子育てをしていた頃は、障害者や高齢者を社会や地域で支えるという意識がうすく、家族が犠牲になって面倒を見るといった考え方が強かったように思います。でも今は違います。制度やサポートを利用する、社会や地域で支え合うというように変わってきています。当事者である私たち自身も「家族が犠牲になって」という呪じゅ縛ばくから自由になりつつあると感じます。やさしいつながりを感じられるまちへ−かつては家族が犠牲になったり、障害があることを公にするのがはばかられるといった時代もあったかと思います。その時代の変化について、どんな感覚をお持ちでしょうか。礒﨑●娘に障害が見つかった時は、この子がどのように生活していくのかを誰にも相談できず、すごく悩みました。親族には「どうしてあんな子がいるの?」「施設に入れた方がいい」などと言われたこともありました。障害者を極端に嫌がる人がいるのも事実ですけれど、今では知的障害者が制作した作品がアートとして注目されたり、車椅子の方がスポーツで活躍されているのが報道されたりして、障害があるとかないとか関係ないなと少しずつ皆さん感じてくださっているのではないでしょうか。でも健常者と同じように生活できるかといったらそうじゃない。駅のホームにエレベーターはあるけれど、すごく不便なところにあるのをみると、もう少し配慮があってもよいのではないかと思ってしまいます。木村●そうですね。たぶん障害者に対する理解は進んできているけれど、どう接すればよいのだろう?障害がある人に本当に望ましいことはなんだろう?といった戸惑いが、まだまだ多くあるのかなと思います。例えば教育の場で、障害者と健常者の子どもたちが日常的に接する機会がある環境などが整うと、これから20年、30年先の障害者との関わり方も違ってくるのではないでしょうか。塚田●知的障害者の場合、見た目では障害がわかりづらく、周りから誤解されやすいといったこともありますね。息子は喘ぜん息そくを持っていますが、コロナ禍でも本人は咳せきをする時に配慮することができないので、ひと目で喘息持ちだとわかるマークを用意しました。礒﨑●そうですね。車椅子に乗っていたり、白はく杖じょうをついていたりすればわかりますが、内部障害の場合は、例えばヘルプマークのような助けが必要であることを伝える工夫は有効だと感じます。ヘルプマークをつけているのを見たら、「ちょっと助けてほしい時があります」といった感じで捉えていただき、困っているようであればぜひ声をかけてもらえたらうれしいですね。木村●息子を育てていく中で、私自身もヘルプ信号を出す大切さを知りました。一人で抱え込むのではなく、「困っています」「大変です」「助けてください」と言っていいんですよね。そうすると皆さん温かく手を差し伸べてくださり、そうしたやさしさに支えられてきました。障害者が安心して暮らせるまちであれば、多くの人にとってもやさしいつながりのある暮らしやすいまちになるのではないでしょうか。区制90周年事業として、児童発達支援施設に通う子どもを対象としたバスツアーを開催しています。障害の有無に関係なく一緒に遊べるインクルーシブ公園「としまキッズパーク」でのびのびと過ごし、子どもたちはいきいきとした顔をしていました。▲ヘルプマークIKEBUSで行く!インクルーシブ公園ツアーイルカ児童園の皆さん(※1)チャレンジ雇用 障害のある方を「チャレンジ就業」として各自治体で採用し、一般企業の就労につなげる事業。(※2)障害者雇用制度障害者雇用促進法において定められた制度。障害者の安定的な雇用を目的としている。(※3)ジョブコーチ支援事業 障害のある方が企業で働くにあたり、企業や障害者をサポートする事業のこと。▲ミニSLに乗って遊んだよ▲たくさんの絵本に囲まれてわくわく▲IKEBUSに大興奮!木村さん困った時に声を掛け合える地域になってほしいです礒﨑さんが理事長をしている「麦の家」で制作された商品礒﨑さん娘の様子を見ているうちに、前向きに考えられるようになりました

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る