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4広報としま特集版 平成29年(2017年) 3月号 No.1727豊島区役所 〒171-8422 豊島区南池袋2-45-1  ホームページ http://www.city.toshima.lg.jp/文化の発祥は人が集う場所から区長◉豊島区が目指す国際アート・カルチャー都市構想の一環として、昨年4月に南池袋公園をリニューアルいたしまして、昨秋にはここをメイン会場に狂言師の野村万蔵先生演出による「大田楽いけぶくろ絵巻」を開催し、大いに盛り上がりました。日本の古典芸能は野外から生まれたという話も聞いておりますので、私はこの公園に能舞台をつくりたいと考えているんです。観世◉おっしゃる通り、「芝居」という言葉があるように、もともと古典芸能は野外の芝の上で行なわれていました。かつて奈良の興福寺の薪たきぎのう能では、事前に僧兵が芝の上に半紙を敷いて足で踏み、芝の湿り具合で上演できるかどうか確かめていたそうです。また、能はもともと神事ですので、お寺や神社の境内で行なわれていたのですが、昔はそれらが最も人が集まる場所でした。人が集まる所に必ず芸能があって、そこで流行が生まれ、文化の発祥地になっていったんですね。南池袋公園はまさに、かつてのお寺や神社に代わり、区がそういう場所をつくったということでしょうね。区長◉南池袋公園以外にも、新たな文化拠点として庁舎跡地エリアに8つの劇場をつくる計画が進んでおりますが、その中で新区民センターには和の稽古場もできます。喜正先生は一般の方に能のお稽古などもされていらっしゃいますね。観世◉能は江戸時代から習い事として行なわれていましたので、現代の人にも入りやすい体制を整えれば興味を持っていただけるのではと、体験講座などを開催しております。これまで多くの方にご参加いただき、そのまま能のファンになってくださった方もいらっしゃるので、発信をきちんとしていけばまだまだ多くの方を惹ひきつけられる芸能なんだなと実感しております。600年前の能とアニメの共通点観世◉私が若い頃は、音楽でも芸能でも「欧米のものがかっこいい」という風潮がありました。しかしちょうど21世紀に入った頃、和のブームといいますか、日本文化を見直す風潮が自然な流れで現れてきました。たとえば以前は花火大会などで女性が浴衣を着ても、彼氏は「浴衣なんか嫌だ」と(笑)。それが今はカップルで浴衣を着ている若い人も多いですね。能を含め古典芸能に対しても、興味を持ってみようという雰囲気があると感じています。区長◉昨年、喜正先生がご出演された「第29回としま能の会」には、若い人がたくさん観にいらしていましたね。こんなことは「としま能の会」の長い歴史で初めてで、私も驚きました。これは喜正先生と人気ゲームとのコラボレーションで作製したパンフレットが非常に注目を集めたおかげで、あまりの人気にこのパンフレットは私の手元にもなくなってしまったほどです(笑)。観世◉最近のゲームやアニメでは、歴史に根ざした事象をキャラクターにして描いており、それが斬新だと大変人気になっています。これは実日本が誇る多様な文化の魅力を世界に発信する、国際アート・カルチャー都市へ。そんな豊島区の将来像について語り合いたいと、高野区長が訪れたのは、神楽坂にある矢来能楽堂。ゲームやアニメとの融合など新たな視点で能の継承に努め、「としま能の会」でもご活躍の能楽師・観世喜正さんと対談しました。歴史と現代がコラボする「としま」の文化発信力矢来能楽堂

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