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2広報としま特集版 平成29年(2017年) 10月号 No.1755豊島区役所 〒171-8422 豊島区南池袋2-45-1  ホームページ http://www.city.toshima.lg.jp/未来へ受け継ぐ、伝統工芸豊島区伝統工芸保存会に所属する伝統工芸の職人が一堂に会し、「匠の技」の工芸品を展示・販売します。当日は伝統工芸士による実演や、体験コーナーもあります。歴史と伝統に培われた匠の技と、作品を通じて地域に根づく伝統工芸の魅力に触れてみませんか?◇主催/豊島区伝統工芸保存会◇協賛/練馬区伝統工芸会    板橋区伝統工芸保存会◇協力/宮城県■問商工グループ☎4566-274210月18日㈬~20日㈮ 午前10時~午後6時 ※最終日は午後5時までとしまセンタースクエア(区役所本庁舎1階)第25回豊島区 伝統工芸展 祖父が江戸べっ甲の職人で、小さい頃から作業場が遊び場でした。初めてべっ甲に触ったのは、小学生のとき。プラモデルの剣を見よう見まねで作りました。将来、この仕事をするのが当たり前だと思っていましたね。 べっ甲はタイマイというウミガメの甲羅で、水と熱と圧力で数枚を貼り合わせていきます。色合わせが難しく、材料を見つけるのが大変。色の濃さは、実際に貼り合わせてみないと、どんな色になるか分かりません。師匠が削ったものを見て、どのくらいの色になるのか覚えていきました。祖父は言葉で教えるというより、「見て覚えろ」という感じでしたね。でも、見て覚えた方が一人になったときに役に立つんですよ。ビデオを観ているような感覚で、祖父の作業を思い出しながらできるんですよね。「人」だけでは伝統を未来に繋げられない 材料となる甲羅は輸入が禁止されているため、今国内にあるものしか使えません。タイマイの養殖も試されていますが先行きは分からないので後継者を取りにくく、今は自分がぎりぎりの世代かな。でも、気負いすぎないようにしたいと思っています。祖父にしかできなかった技術、祖父が考えたやり方を守っていきたいです。兄弟子もたくさんいるので、困ったときは教えてもらいに行っています。将来はおみこしを作ってみたいですね。飾りをほかの伝統工芸の職人の方に作ってもらって、豊島区の伝統工芸のシンボルを作れたらと思います。江戸べっ甲伝統工芸展いきたいです。兄弟子もたくさんいるので、困ったときは教えてもらいに行っています。将来はおみこしを作ってみたいですね。飾りをほかの伝統工芸の職人の方に作ってもらって、豊島区の伝統工芸のシンボルを作れたらと思 祖父が江戸べっ甲の職人で、小さい頃から作業場が遊び場でした。初めてべっ甲に触ったのは、小学生のとき。プラモデルの剣を見よう見まねで作りま 楽器の付属品として三味線のばちや糸巻、琴のつめなどを作っています。牙1本を作品の丈に合わせて切って、削っていきます。磨くのは手加減が大事なので、機械に全てを任せられません。象牙は天然素材ならではの肌触りやあたたかみがあり、手になじむ感覚を楽しんでほしいです。ばちなどはお客さんに合わせてしなりをつけ、手に合わせてカスタマイズしていきます。壊れてもすぐに新しいものを買うのではなく、修理をして長く使っていくので、修理の依頼は多いですね。歩み続けるため、ひとつひとつを丁寧に 材料はアフリカ象の牙。ワシントン条約で国際取引が禁止になりましたが、南部アフリカ4か国の象牙はその後二度、取引が許可されました。原産国が売却して得た資金は、象の保全などにのみ活用できます。象はみんな知っている、親しみがある動物なので、私たちが作品にすることで、原産国の地域住民にも還元されるということをきちんと説明しています。貴重な材料なので、大切に作っていきたいですね。そのためにいい加減な気持ちにならないように自分の精神状態をしっかり持っていくことを心掛けています。 安定して材料が入ってくる環境を整えるために組合で活動しています。そして政府とも連携を取りながら国際会議にも参加しています。それが伝統を未来へ受け継いでいく、今の自分の役割だと思っています。江戸象牙「若手」として求められる役割 楽器の付属品として三味線のばちや糸巻、◉特別展示豊島区の相互交流都市である宮城県の伝統工芸「堤焼」や近隣で保存会同士が交流を行なっている練馬区、板橋区の展示販売なども行ないます。◉体験コーナー(有料)東京手描友禅や貴金属装身具、べっ甲など「体験してみたい!」という業種がありましたら、お気軽に工芸士に声をかけてください。親切丁寧に教えます※各出展ブースで開催。祖父の技術を守っていきたい 出展者(敬称略)椿 逸雄、大久保 紀保、土田英彦、上原 實、坂原 栄、上田隼人渡邉 勉、尾﨑英幸、鎌田 恵美子内田敏郎清水貴政平田 晃、平田美穂宮本拓哉加藤秀吉瀧澤光雄、早川福男島 功、松本正博髙定裕鶴見 剛渡部 隆糸澤昭雄豊島区の伝統工芸の魅力を区内外の皆さんに伝えることを目的に、伝統工芸産業に従事する職人の方々が、「豊島区伝統工芸展」「伝統工芸教室」など各種事業活動を行なっています。■問当会事務局 宮本 ☎3917-2596豊島区伝統工芸保存会宮本 拓哉さん/宮本工業㈲鶴見 剛さん/㈱ツルミ象牙店 職 種東京手描友禅 東京籐工芸 東京銀器東京彫金東京組紐江戸べっ甲江戸凧江戸提灯貴金属装身具東京三味線江戸象牙金工きもの仕立つな

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