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子どもの頃から、近所の駄菓子屋で買った折りたたみナイフで竹とんぼを作るなど、道具を使ったものづくりが好きでした。高校卒業後すぐにこの道を選び、約60年間、貴金属装身具工として携わっています。扱う金属は金やプラチナ、銀など多岐にわたり、ペンダントや指輪など日常使いできるものから、コンテスト用の作品まで幅広く制作しています。技術は一生をかけて追求するものです。より良いものを作るために試行錯誤し、研究することが本当に好きなので、この仕事に苦しさや難しさを感じたことはありません。作品を見た方に喜んでいただけるものを作り続けます。ものづくりへの変わらない探究心金工のことを少しでも知ってもらおうと、豊島区の伝統工芸に関する活動にはすべて参加しています。「としまMONOづくりメッセ」での小学生向け体験教室の出展は、第1回から始めて今年で19回目となりました。子どもたちが手軽に金工に触れられるよう、銀のプレートにイニシャルを打つ体験を提供しています。また、としま産業振興プラザ(IKE・Biz)での伝統工芸教室は、お菓子を持ち寄り、お喋りをしながら進めるので交流の場にもなっています。体験を通して、この仕事に興味を持ってもらえたらうれしいです。培った技術を次世代へつなぐ確かな技術が華やかな作品を支える金箔や銀箔を使いバラや菊などを描いた、華やかで洗練された作品を手がけていた父。その職人としての姿に憧れを抱き、高校卒業後すぐに弟子入りをしました。作品によって制作工程は異なりますが、まずは白生地を裁断して図案を描き、ムラサキツユクサの花弁から抽出した「あいばな」で下絵を施します。そして、下絵の線に沿って糸のように細く糊を置く作業を経て色を挿していきます。細かいものも含めると少なくとも23の工程があり、振袖の制作時はさらに刺繍を施すなど、様々な技術が求められます。時代の変化とともに続く挑戦落語家や絵描きなど芸能関係者が多かった豊島区は染色の街でした。昔は20~30軒ほど染色関係の人がいて、多くの職人が活躍していましたが、今やごくわずかになってしまいました。古典やモダンといわれるように、流行は変化するもの。着物も伝統工芸だからと言って地色や柄を固定化するのではなく、常に時代とともに変えていくべきだと感じます。最近では、若い人にも使ってもらえるような色味・生地にこだわった、小風呂敷を制作しました。作品を間近に見て、幅広い世代に楽しんでもらいたいです。日々の手仕事を通して伝統工芸を守り、今に伝える職人たち。技術を磨き続け、魅力ある作品を生み出す職人たちの想いをご紹介します。1その2その貴金属装身具 島 功さん● 平成20年 東京都優秀技能者 (東京マイスター)知事賞● 令和5年 卓越した技能者 (現代の名工)しま いさお伝統工芸士の詳細はこちら東京手描友禅 上原 實さん豊島区伝統工芸保存会前会長● 平成27年 東京都優秀技能者 (東京マイスター)知事賞● 平成31年 豊島区登録 無形文化財保持者認定うえはら みのる4広報としま 令和8年(2026年)2月1日号 No.2117
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